母の生前整理を手伝って見えたこと

おはようございます。

朝晩すっかり冷え込んできましたが、暑がりの私には過ごしやすくてつい夜更かしをしてしまいます。本格的に秋が始まりましたね🍂

先日実家で母の生前整理をお手伝いしてきました。

母は数十年前に着物の世界にはまり、祖母から継いだものを合わせるとかなりの枚数を持っていた(知らなかった😓）のですが、70代に入り、糖尿病に加え体力気力ともに落ちてきて、着物を着ることはもちろん所持するのもしんどくなったようで手放したいと相談してきました。

着物専門の買取査定をお願いしました

話を聞くとほとんど使っていないものも多いそうなので、私がネットで調べ着物の買取専門のお店に出張買取をお願いすることに。本当にどこにでも来てくれるんですね😮

着物の買取について調べると、色々なサイトで“相見積もり”をとるようにと書いてあったので、母の体力を考えてひとまず2つの会社にお願いしました。

初日は「ゴールド」、二日目は「福ちゃん」というどちらも有名なタレントさんがでているＣＭがテレビでも流れているので父母も安心したようでした。ＣＭがあってよかった笑。

ゴールドは同世代かなと思う40代くらいの男性が、福ちゃんは20代も前半ではないかと思うくらい若い女性に遠方から来ていただいたのですが、どちらも甲乙つけられないしっかりした良い方たちで、結局高く多く見積もっていただいた方に引き取っていただきました。

どちらも査定予約をした時に、貴金属や家電などもあればお願いしますとのことだったので、母は着物の他に貴金属類と大型の食器、父はスーツ、私はデジカメを便乗させてもらいました。

結果、父のお祝いの席などで着るスーツは名前の刺繍が入っていることで双方ＮＧ以外は、一方では喪服はダメだったり使用済みの食器はダメだったりしたのに、もう一方は全てOKでした。着物の小物類と食器はひとくくりでいくらという形で値段をだしてもらいました。

どちらがどうとは言えませんが、うちのデジカメですが、一方では100円に対し、他方は1,500円でした。ちなみに以前某カメラ屋さんにもついでがあった際に買取査定をしていただいたんですが50円でした。

“相見積もり”手間ですけど、「手間」より「金額」という方はぜひ取られた方がよさそうです。

メルカリでも事前に調べておきました。

結局、査定の間色々と教えてもらったおかげで、母も含め“今”の世間での需要や査定での条件など分かってきたので、母の体力気力を考えてこの2社のどちらかで引き取っていただくことになりました。母も納得で大満足の買取となりました。

これも査定中に口を割ってきて驚いたのですが、母は10年前に飛び込みの買取の営業の人に着物を買い取ってもらったことがあったみたいで、今回の査定額を見ると、買いたたかれたなぁと落ち込んでいました😓

これも全然知りませんでした。母も色々あったんですね…。

買取をしてもらって…

“生前整理”は私からは勧めませんでした。

母は高度成長期に活気ある幼少期を過ごし、モノがステータスであったし、母も所有することで安心や喜びを得ているタイプでした。“捨てずらい”性格でもありました。これは私のおばあちゃんの影響です。

なので、以前から父母両方が他界したら私が整理するから安心して、という方向でうちは落ち着いていました。

でも母も加齢とともに所有することすらしんどくなったようです。体が重いそうで気持ちだけでも軽くなりたい、すっきりしたいと言っていました。

少し時間を開けても気持ちは変わらなかったので、今回買取に踏み切りました。

母は出張買取に対して、私が色々調べたり手配する手間や何度も実家へ出向く時間など申し訳ないと言って全部捨てるからいいよと言っていたんですが、母のことは誰よりも分かるので笑。

捨てるのは悲しい、誰か使ってくれる人がいるなら使ってほしいという気持ちはわかっていました。

私も口では大丈夫と言っていましたが、正直他にやりたいこともあったし、初めてのことであるにもかかわらず内容は母のモノ、母は私以上に人付き合いが苦手なので仲介という立場が難しくて、たった2回の査定でしたが本当に疲れました。

でも色々と勉強になりよい経験になったことはもちろん、母とモノの間にある感情、

ずっと謎だった10数年前なんでほとんど着もしない、私から見たら本当に興味あるの？程度の着物をコレクションしていたのか？という答えは分かった気がしました。

母は着物にハマる前に私の祖父である父親をなくし、その7年前に祖母を亡くしています。祖母は突然死でしたし、祖父も具合が悪くなってから三か月で亡くなりました。

お別れは急でしたが、それまで事情により10年近く母は実家で祖父母と暮らしていたんです。なので私としては他の人に比べて十分な最期を一緒に過ごせてよかったねという感じで捉えていたんです。

でも査定の間色々と母の思い出話を聞くと、祖母とは最後まで主従関係、祖父とは分かり合えずに終わったようです。それでも母は少し心の弱い人で誰かに頼っていないと立っていられない人なので祖父母に依存していたと思います。

きっと祖父母両方を失った喪失感と心残りがあったんだと思います。だから祖父母のモノが捨てられず(私の)実家の納戸がいっぱいになるほど持ち帰り、使わないのにしまってあったのかなぁと思いました。そして本当に着物が大好きだったのは祖母で、祖母との関係か思いが着物のコレクションに繋がったのかなと思えてなりません。

私は当時それに気づけませんでした。今まで母の謎の行動の数々をずっと考えてきましたが、性格が違いすぎて分からず、イラ立ちや理解できないストレスを抱えてながらも母がかわいそうで付き合ってきましたが、今やっと母の本当の姿が見えたようで私もすっきりとしました。

これまで祖母(私は性格がよく似ていてすごくかわいがってもらったし仲がよかったです)、母、私という関係が祖母の亡きあともずっと続いていました。そこにも何の疑問も抱いていませんでした。ずっとこの関係は続くものだと当たり前に思っていたのですが、

祖父母のほとんどもモノを手放したことで、“生きている”母と私という新しい関係が築けそうでうれしかったです。築かなければいけないと思いました。

査定の方に「親子で思い出話をしながらの生前整理って素敵ですね。」って言っていただきました。まだほとんどが単身かご夫婦のみだそうです。

親の散財を見るのも量の多さにも本当にダメージが大きかったです笑。が、一緒に整理できて心からよかったと思います。ぜひおすすめです。

最後までご覧いただきありがとうございました。